102 適応障害概要 適応障害(てきおうしょうがい、:AD)とは、はっきりと確認できるストレス因子によって、著しい苦痛や機能の障害が生じており、そのストレス因子が除去されれば症状が消失する特徴を持つ精神障害である。『精神障害の診断と統計マニュアル』(DSM)の『第4版』(DSM-IV)では適応障害として独立していたが、『第5版』(DSM-5)ではストレス関連障害群に含められ、他に急性ストレス障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)が含まれる。 ストレスへの正常な反応は、著しい苦痛を呈さない。また死別への反応は適応障害ではない。他の精神障害に当てはまるときはそれが優先される。うつ病との判別がつきにくい場合がある。また、ストレスが原因で発生する身体的な異常は心身症である。 主2015/11/18 18:12
103 症状 ストレスが原因で、情緒的な障害が発生し、それは抑うつ気分や不安などを伴うことが多い。また青年期や小児期では、社会規範を犯すなど素行の問題が現れることがある。その年齢期では夜尿症、指しゃぶりといった退行現象が現れることもある。 社会生活や職業・学業などにも支障をきたし、生活機能の低下や、業績・学力の低下、場合によっては就業・就学そのものが不可能になる場合がある。 行動的な障害を伴う患者は、ストレスが原因で普段とはかけ離れた著しい行動に出ることがある。それらの行動の具体例としては、年相応の規則をやぶり、怠学、喧嘩、法律の不履行などが挙げられる。社会的ルールを無視するような行為、破壊や暴走、また暴飲などもある(注1) 万引きや無銭飲食などを繰りかえしたりもする。 自殺願望を抱える人も多い。 軽度の行動的な障害としては、電話やメール、手紙に応答せず人との接触を避けて引きこもることも挙げられる。 主2015/11/18 18:14