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大宮クロスオーバー-2
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この店どうですか?
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下に降りると、親父も来ていた。普段見せない深刻な表情だった。
外からじいちゃんが顔を出して「早く車に乗れ」と促した。庭に出てみると、どこから持ってきたのかワンボックスのバンが一台あった。そして庭には何人かの男たちがいた。
ワンボックスは九人乗り。中列の真ん中に座らされ、助手席にKさんが座り、庭にいた男たちもすべて乗り込んだ。全部で九人が乗り込んでおり、八方すべてを囲まれた形になった。
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「大変なことになったな。気になるかもしれないが、これからは目を閉じて下を向いていろ。俺たちには何も見えんが、お前には見えてしまうだろうからな。いいと言うまで我慢して目を開けるなよ」
右隣に座った五十歳くらいのオジさんがそう言った。
そして、じいちゃんの運転する軽トラが先頭、次が俺が乗っているバン、後に親父が運転する乗用車という車列で走り出した。車列はかなりゆっくりとしたスピードで進んだ。おそらく二十キロも出ていなかったんじゃないか。
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間もなくKさんが「ここがふんばりどころだ」と呟くと、何やら念仏のようなものを唱え始めた。
「ぽっぽぽ、ぽ、ぽっ、ぽぽぽ……」
またあの声が聞こえてきた。
Kさんからもらったお札を握り締め、言われたとおりに目を閉じ下を向いていた。でも気になって薄目をあけて外を少しだけ見てしまった。
目に入ったのは白っぽいワンピース。それが大股で車にぴったりとついてきている。頭はウインドウの外にあって見えないが、車内を覗き込もうとするように上半身が傾き始めた。
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無意識に「ヒッ」と声を出す。「見るな」と隣が声を荒げる。
慌てて目をぎゅっとつぶり、さらに強くお札を握り締めた。
コツ、コツ、コツ
ガラスを叩く音が始まる。周りに乗っている人も短く「エッ」とか「ンン」とか声を出す。アレは見えなくても、声は聞こえなくても、音は聞こえてしまうようだ。Kさんの念仏に力が入る。気が遠くなるような長い時間が過ぎていった。
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やがて、声と音が途切れたと思ったとき、Kさんが「うまく抜けた」と声をあげた。それまで黙っていた周りを囲む男たちも「よかったなあ」と安堵の声を出した。
やがて車は道の広い所で止り、親父の車に移された。
親父とじいちゃんが他の男たちに頭を下げているとき、Kさんが「お札を見せてみろ」と近寄ってきた。無意識にまだ握り締めていたお札を見ると、真っ黒になっていた。Kさんは「もう大丈夫だと思うがな、念のためしばらくの間はこれを持っていなさい」と新しいお札をくれた。
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その後は親父と二人で自宅へ戻った。バイクは後日じいちゃんと近所の人が届けてくれた。親父も八尺様のことは知っていたようで、子供の頃、友達のひとりが魅入られて命を落としたということを話してくれた。魅入られたため、他の土地に移った人も知っているという。
バンに乗った男たちは、すべてじいちゃんの一族に関係がある人だった。つまり極々薄いながらも自分と血縁関係にある人たちだそうだ。前を走ったじいちゃん、後ろを走った親父も当然血のつながりはあるわけで、そうして少しでも八尺様の目をごまかそうとしたらしい。
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親父の兄弟は一晩でこちらに来られなかったため、血縁は薄くてもすぐに集まる人に来てもらったようだ。それでも流石に七人もの男が今の今、というわけにはいかなく、また夜より昼のほうが安全と思われたため、一晩部屋に閉じ込められたのである。道中、最悪ならじいちゃんか親父が身代わりになる覚悟だったとか。
そして、先に書いたようなことを説明され、もうあそこには行かないようにと念を押された。家に戻ってじいちゃんと電話で話したとき、あの夜に声をかけたかと聞いたが、そんなことはしていないと断言された。改めて背筋が寒くなった
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八尺様の被害には成人前の若い人間、それも子供が遭うことが多いということだ。まだ子供や若年の人間が極度の不安な状態にあるとき、身内の声であのようなことを言われれば、つい心を許してしまうのだろう。
それから十年以上が経った。あの出来事の記憶も薄らいでいたころ、洒落にならない後日談ができてしまった。
「八尺様を封じている地蔵様が誰かに壊されてしまった。それもお前の家に通じる道のものがな」
と、ばあちゃんから電話があった(じいちゃんは二年前に亡くなっていて、当然ながら葬式にも行かせてもらえなかった。じいちゃんも起き上がれなくなってからは絶対来させるなと言っていたという)。
今となっては迷信だろうと自分に言い聞かせつつも、かなり心配な自分がいる。
「ぽぽぽ……」という、あの声が聞こえてきたらと思うと……。
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ありすさん口臭いよ
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今日で6月も終わり
今日精一杯がんばる
7月からハッピーピ
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