168 俺じゃない!ああ〜(泣)えええ〜ん!!(泣)』 すぐにカッとなる性格であるが、実は小心者の平野田。こいつは、星(犯人)ではない。大崎は、そう確信する。が、念のため。(大崎)「おい平野田。正直に何もかも話したらどうだ?ん?それともう一つ。この男知ってるだろ。な?」 大崎は、佐山治の顔写真を平野田に見せる。(大崎)「なあ平野田。お前、佐山から金を借りていたろ?ヤミ金だ。」(平野田)『ああ。それは認めるよ。佐山治。吉原じゃ奴から金を借りていたボーイや嬢は結構いた。 匿名さん2012/09/09 19:45
169 俺だけじゃないっすよ!吉原の店にもよく遊びに来てました。有名人っすよ。奴がどっかの山奥で、白骨死体で見つかったって。ニュースでみて、ざまあみろと。俺、俺そう思いました。本当っすよ!』『こいつへの返済分がなくなったんで、んで競馬に使う金が増えたんです。』・・・・間違いない。平野田はシロだ。大崎は、次に、3枚の別の写真を平野田に見せる。(大崎)「じゃ、こいつは誰だ?分かるか?」 「被害者の女の自宅マンション。そこの熱帯魚水槽の中にあったものだよ。ビニール袋で何重にも覆われていた。」 匿名さん2012/09/09 19:46
170 西田美幸は、実は、「あの」写真を大型水槽の中に隠していたのである。・・・・・いずれも夜間に撮影されたのか、背景が暗い写真だ。1枚目は、中肉中背の男が外車だろうか、左運転席に乗り込む姿。車のナンバーは判別できる。2枚目は、その外車から降りた直後らしき姿。3枚目は、車の横で、難やら大きな蓋を持ち上げている姿。(平野田)『薄暗くてよく見えないっすね!これBMWっすよね?.....あ、あ!あッ!』(大崎)「どうした?平野田。誰だ?誰なんだこの男は!え?答えろ平野田!」 大崎は大声で平野田に怒鳴る。 匿名さん2012/09/09 19:46
171 ・・・・吉原‘エンペラー’では、安羅木(やすらぎ)一郎がいつもの通り、フロントに座っていた。平野田が来ない。無断欠勤か?いや、奴は仕事は適当でいい加減だが、出勤だけはちゃんとしている男だ。平野田の自宅に電話したが、留守である。平野田は、携帯料金未払いを繰り返し、携帯契約を解約された身だ。なので、携帯電話は現在所持していない。曳船の自宅アパートを出て、スクーターで店に来るまでに事故ったか?......いや、まさか.......安羅木は、何か不吉な予感がした。・・・・・・・(続きは次回) 匿名さん2012/09/09 19:46
172 【小説】「愛の蹉跌」=第18 回= その日の午後、安羅木(やすらぎ)一郎は、店の並びにある駐車場で、岡野芙美江(エンペラー元NO1姫)の携帯に電話を入れる。しかし、何度コールしても彼女は出ないのだ。なぜだろう。ま、いいや。夜にまた連絡しよう。店のフロントに戻ると、1本の電話が鳴る。店員及び姫しか利用しない内部関係者用の電話。公衆電話からだ。もしかすると平野田かも。安羅木(やすらぎ)一郎は、さっそく電話をとる。「マネージャーっすか?」 匿名さん2012/09/16 19:21
173 (安羅木)『おお!平野田くん!心配してたぞ。どうした?』(平野田)「すいませんっす。朝スクーターで自損事故やっちまいました。足ケガして病院に行き、これから店に出ますっよ!」(安羅木)『おいおい、無理しないでいいよ。今日はそのまま自宅に帰っていいんだぞ。』(平野田)「そうっすか。じゃお言葉に甘えて。明日からでまっすよ!」(安羅木)『ん。じゃお大事にな。連絡ありがとう。』・・・・(平野田)「これでいいっすか?」 匿名さん2012/09/16 19:21
174 平野田は、取調べを受けていた品川湾岸警察署3階廊下にある公衆電話から安羅木に連絡を入れたのだ。平野田の両脇に刑事1名ずつが密着していた。後ろにいた主任刑事の大崎。満面の笑みを浮かべている。(大崎)『ああ。それでいい。上等だ。不自然な感じは無かった。よく出来たな。礼を言うぞ!平野田!』 その後、大崎は、吉原(台東区千束4丁目)を所轄する浅草中央警察署に応援を要請。大崎らが、現場に到着するまで、被疑者・安羅木一郎が逃亡せぬよう処置を施す依頼をした。 匿名さん2012/09/16 19:21
175 万が一のことがあっては厄介だからだ。捜査は、最後の最後まで油断は禁物。詰めに詰めること。長年の刑事(デカ)人生で大崎が失敗から学んだ教訓である。安羅木は、そのままフロントに座り、芙美江との将来のこと。自分が犯した2件の殺人事件。その逮捕からいかに逃れるか。考えることは今日もそればかり。すっかり、平野田の‘猿芝居’に騙された安羅木。ボーとフロントに座り、午後出勤組の姫が店に到着しても、ろくに挨拶もせずであった。 匿名さん2012/09/16 19:21
176 それから15分後・・・・・・・2名のスーツ姿の男性が訪れた。安羅木は、ハッとする。(安羅木)『すみません。いらっしゃいませ。女の子たくさん出勤していますよ(嘘)。口開けでご案内可能な子、いい子が選べます!待合室へどうぞ!』 しかしである、彼らは入り口で突っ立っている。(男性)「安羅木マネージャーさん?」(安羅木)『はい。私ですが?あのぉ....?何のご用件でしょうか?』 そして、別の1人が上着ポケットから何かを取り出し、安羅木に提示する。 匿名さん2012/09/16 19:22
177 安羅木は、みるみる顔が青ざめていく。警察手帳だ。(刑事)「浅草中央警察署のものです。ここじゃなんですから、ちょっと待合室で話をきかせてもらおうか。簡単にね。言っておくが、店のことではない。君のことだよ。」(安羅木)『・・・・・・・・・・・』 その後、間をおかずに吉原交番の制服警察官2名が自転車でエンペラーに到着。2名は、そのまま店内へ。さらに、自動車警ら隊のパトカー2台が、先ほど安羅木が芙美江に電話をかけていた駐車場に停車。 匿名さん2012/09/16 19:22