集合 V が次のような条件を満たすとき、実数 R 上のベクトル空間であるという。まず V の元の間に和
(x, y ∈ V に対して x + y ∈ V ) とスカラー倍 (a ∈ R, x ∈ V に対して ax ∈ V ) という演算が定義されてい
る。そしてそれらの演算は次の 8 つの条件を満たす。
1. (結合法則) (x + y) + z = x + (y + z)
2. (交換法則) x + y = y + x
3. (単位元) x + 0 = x を満たすような特別な元 0 ∈ V が存在する。
4. (逆元) すべての x ∈ V に対して x + (−x) = 0 となるような逆ベクトル −x が存在する。
5. (スカラー倍との分配法則 1) a(x + y) = ax + ay
6. (スカラー倍との分配法則 2) (a + b)x = ax + bx
7. (スカラー倍との結合法則) (ab)x = a(bx)
8. (スカラー倍の単位元) 1 x = x
速度や力のように矢印で表すことができるふつうのベクトル (幾何ベクトル) や行列の計算に使うような数
1 目的
銅の粉末試料を用いた X 線回折測定を行い、粉末 X 線回折の測定方法と測定原理
入射方向(すなわち一定の波数ベクトル k )をもつ場合に観察され、散乱した 電子によって引き起こされる(X 線の波長領域では原子核による散乱
の
この
I = I0
(
e
2
4πε0mc2
)2
1 + cos2
目的
銅の粉末試料を用いた X 線回折測定を行い、粉末 X 線回折の測定方法と測定原理
入射方向(すなわち一定の波数ベクトル k )をもつ場合に観察され、散乱した 電子によって引き起こされる(X 線の波長領域では原子核による散乱
の
この
I = I0
(
e
2
4πε0mc2
)2
1 + cos2
2θ
2r
2
(4.1)
2θ
X 線
k
k
′
結晶
図 4.1 結晶による X 線の散乱
1
で与えられることが知られている。ただし、定数 e, ε0, m, c はそれぞれ電気素量
集合 V が次のような条件を満たすとき、実数 R 上のベクトル空間であるという。まず V の元の間に和
(x, y ∈ V に対して x + y ∈ V ) とスカラー倍 (a ∈ R, x ∈ V に対して ax ∈ V ) という演算が定義されてい
る。そしてそれらの演算は次の 8 つの条件を満たす。
1. (結合法則) (x + y) + z = x + (y + z)
2. (交換法則) x + y = y + x
3. (単位元) x + 0 = x を満たすような特別な元 0 ∈ V が存在する。
4. (逆元) すべての x ∈ V に対して x + (−x) = 0 となるような逆ベクトル −x が存在する。
5. (スカラー倍との分配法則 1) a(x + y) = ax + ay
6. (スカラー倍との分配法則 2) (a + b)x = ax + bx
7. (スカラー倍との結合法則) (ab)x = a(bx)
8. (スカラー倍の単位元) 1 x = x
速度や力のように矢印で表すことができるふつうのベクトル (幾何ベクトル) や行列の計算に使うような数
を並べたベクトル (数ベクトル) はもちろん以上の公理を満たしている。しかし、上の公理を満たす集合はほ
かにもたくさんある。例えば座標 x, y, z の関数 f(x, y, z) の微分
df =
∂f
∂xdx +
∂f
∂y dy +
∂f
1 外積代数
1.1 ベクトル空間
集合 V が次のような条件を満たすとき、実数 R 上のベクトル空間であるという。まず V の元の間に和
(x, y ∈ V に対して x + y ∈ V ) とスカラー倍 (a ∈ R, x ∈ V に対して ax ∈ V ) という演算が定義されてい
る。そしてそれらの演算は次の 8 つの条件を満たす。
1. (結合法則) (x + y) + z = x + (y + z)
2. (交換法則) x + y = y + x
3. (単位元) x + 0 = x を満たすような特別な元 0 ∈ V が存在する。
4. (逆元) すべての x ∈ V に対して x + (−x) = 0 となるような逆ベクトル −x が存在する。
5. (スカラー倍との分配法則 1) a(x + y) = ax + ay
6. (スカラー倍との分配法則 2) (a + b)x = ax + bx
7. (スカラー倍との結合法則) (ab)x = a(bx)
8. (スカラー倍の単位元) 1 x = x
速度や力のように矢印で表すことができるふつうのベクトル (幾何ベクトル) や行列の計算に使うような数
を並べたベクトル (数ベクトル) はもちろん以上の公理を満たしている。しかし、上の公理を満たす集合はほ
かにもたくさんある。例えば座標 x, y, z の関数 f(x, y, z) の微分
df =
∂f
∂xdx +
∂f
∂y dy +