366 その観光地先にはかつて火山の大きな噴火で街に大きな被害が出た場所があり、すでに復興を遂げて道路も綺麗に整備されていてそんな過去を意識することなくいつものように通り過ぎていたのですが。 いくつか小さな山を越える形で山道を抜ける先の軽いカーブ沿いにそう大きくはない橋が掛かっていて、いつものようにカーブに差し掛かったとき…… つづく 匿名さん2023/08/28 10:05
369 小さなカーブに差し掛かり、道路脇の草むらがライトに照らされた瞬間、 それは明らかに人間、それも作業服のような服装をした2人の男性のような人影が見えたのです。しかし、ほんの一瞬なのにその人影に強い違和感を覚えたのです。 それは、まずその場所は橋にかかる直前の山道脇の草むらで街灯など一切無く、夜間は車のライトに照らされない限りは真っ暗闇であるということ。 そんな場所に仮に道路工事の関係者が居たとして、可能性としてはあり得るとしても深夜の1時過ぎに、その場所に懐中電灯も持たずに人が立っているのは極めて不自然であるということ。そして何より不自然だったのは、強いライトに照らされたにもかかわらずその人影は限りなく暗くはっきりしていなかったことに加え、二つの「胴体のようなもの」しか見えなかったこと、手前の1人は蛍光反射テープが付いたような作業服みたいな服装だったのは分かったのですが、その反射テープが全く光ってなかったこと。 そして何より、その場所に工事関係の人間がいるとするならば、前後に工事車両が止まっているはずなのにそれが無かったこと。 つづく 主2023/08/30 06:234FkqoEEBMI
370 そしてそこは車でなければ辿り着くのは不可能とは言えないまでも、人里からは極めて遠く、日中でも人が歩ける場所ではないのです。 私はその山道を最低月2回、年間20回以上、ここに通い始めて300回はこの山道を通っていますが、この地点に自転車以外で人が歩いているのを見たことはないと断言できます。 それぐらい辺鄙な場所なのです。 ましてやそこに深夜の1時過ぎに車無しで人がいるのは極めて不自然と言えます。 私はその違和感と共にそこを通り過ぎたのですが、あまりに不思議だったので引き返して確認しようと一瞬減速させたのですが、そこは幅員も狭くUターンするのも気が引ける道路で、ましてやそのような不可思議な状況をわざわざ引き返してまで確認したとして、もし誰もいなかったときの恐怖を考えたら… 私はそのまま通り過ぎることを選択をしたのです。 そして、そのまま会社で契約している賃貸マンションに到着し休んだのですが、翌朝、この話を現地の人間に話したところ意外な事実を知ることになるのです。 つづく 主2023/08/30 06:454FkqoEEBMI
371 つづき よく朝、現地勤務の社員に橋の入り口付近で見た人影の話をしたところ「やっぱり見たんですか?この前自分が話した場所と同じですよ!」 こう言われて私は数ヶ月前にもその社員から聞かされた話を思い出し、一気に背筋が寒くなったのです。 その話とは、その社員のお兄さんが同じく深夜に車でまさに同じ場所で、しかも雨が降っているのに小さな子どもを連れた女を見たというものでした。 当時、わたしはその話には参加せずに横で聞き流した程度であまり気にもとめずにいたのですっかり脳裏から遠ざかっていたのですが、見たものが違う点、天候状態を除けば、時間帯と場所は一致していたので「やはりあそこに何かあるのか?」ということになったのです。 つづく 主2023/08/30 13:144FkqoEEBMI
372 つづき 後日、現地で生まれ育っているお年寄りに聞いたところ、やはり地元では「出る」場所として知られているとのことでした。 目立たないところに慰霊碑のような物が存在するとの情報もありました。 長年、何度も通っている道なのに何故あのタイミングでそのようなものを見てしまったのか。。 もしくはその目撃したものが本当に生きた人間だったのか。 一つ言えることは今後深夜にあの道は極力避けることになるだろうということです…。 主2023/08/31 11:004FkqoEEBMI