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雨天中止の影響で10日の阪神戦(甲子園)登板がなくなり、次回は15日の広島戦(マツダ)。中10日だが調整は順調で、G球場の外野フェンス沿いを黙々とランニング。今後は上位の阪神、ヤクルト戦の登板が続く可能性もあるが「もうこういう時期。頑張ります」
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巨人・菅野智之投手(25)が14日、エースの責任を果たすことを誓った。15日の広島戦(マツダ)に中10日で先発する。相手は防御率トップのジョンソン。「万全の調整をしてきた。接戦になると思う。何とか1イニングでも長く投げたい」と宣言した。残り14試合、チームは3連勝中で、首位とは0・5差の3位。原監督は「これからフル回転するでしょう。やらないといかん」と奮起を促した。
時間はたっぷりもらった。ここで無様な投球をするわけにはいかない。菅野は引き締まった表情でダッシュなどで汗を流した。故障や球宴休みを除けば、シーズン中に中10日空くのは3年目で初めてだ。広島は、チームが今季は9勝14敗と苦しむ相手。敵地での一戦にかける思いは強い。
菅野「万全の調整ができた。状態はすごくいい。何とか1イニングでも長く投げたい。最近はリリーフ陣が頑張ってくれている。来週は7連戦もある。少しでも力をためてもらえるようにしたい」
防御率リーグトップのジョンソンと投げ合うが、相手に不足はない。ここまで6完投はリーグトップタイ。山口、マシソンが本調子でなく、一人で投げきることが理想だ。
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菅野「ジョンソンは誰が見てもいい投手。接戦になると思うが、今年は接戦をものにしてきた。その経験を生かして最後までやっていきたい」
本来は10日の阪神戦(甲子園)に先発予定だったが、8日が雨天中止になり、ポレダが10日に回って菅野の登板が飛んだ。12日のDeNA戦(東京D)先発は可能だったが、15日の後、今季4登板で防御率1・45と好相性の首位阪神戦が、22、28日と2週連続で控えるため、首脳陣は間隔を詰めてのフル回転より、中10日で万全を期した。
原監督「(シーズン終盤には)フル回転してくれると思うよ。3年目の坊やに(厳しい戦いを)任せるのは荷が重いが、やらないといかん」
今季は開幕投手として打線の援護が少ない中、9勝9敗、防御率2・03と奮起している。ただ、8月以降は5登板で1勝3敗。最近2試合は、ヤクルトに4回4失点KO、DeNAに初回3失点するなど白星をつかめず、巨人では57年ぶりとなる、入団1年目からの3年連続2ケタ勝利に足踏みしている。だから、原監督は物足りなさを感じ「坊や」と皮肉ったのだ。
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菅野「日程も詰まってきて中5日、4日でいくこともあると思う。10日間を生かして、すべてをプラスにとらえていきたい」
打席でも、気迫を出す。昨年1割6分7厘だった打率が、今季は6分1厘。4日のDeNA戦(横浜)で適時打したが、原監督から打力不足を何度も指摘されてきた。
菅野「前回、自分で打って改めて投げる以外の重要性を確認できた。セ・リーグで戦う以上、大事なこと。簡単に三振するんじゃなくて、食らいついていきたい」
指揮官は菅野の打撃について、スキーを例に出した。背中に重心がかかると不安定になる。打撃もかかと重心でなく、踏み込んで向かっていくことが重要。そう力説した。
チームは残り14試合。上位4球団が3ゲーム差にひしめくサバイバルだ。
原監督「大混戦だ。誰も(展開を)読めないところに、面白さがあるよな」
菅野「カウントを悪くして打たれるのが投手として一番、情けない。大胆に攻めていきます」
投手陣の柱として、V4への追い風を吹かせることしか頭にない。
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負けられない決戦で躍動した。菅野は最速151キロを計測し、7回2安打1失点(自責0)と好投した。だが息詰まる投手戦も0―1で敗戦。ジョンソンに軍配が上がった。敗因は貧打にエラー。それでも、試合後は自らを責めた。「こういうスコアになるのは分かっていた。悔しい。もっともっと強くならないといけないと思いました」。言い訳は一切、しなかった。
唯一、得点圏に走者を背負った2回の失点が致命的となった。1死から新井に四球。「少し慎重になりすぎた。それより次の広輔(田中)に、簡単に打たれた方が悔いが残る」。左前打でつながれると、2死一、三塁から石原の遊ゴロを坂本がタイムリーエラー。「ああいうシチュエーションを作ったのは自分です」。その後も下を向かず、逆転を信じて投げ続けた。
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勝負の9月。エースは覚悟を決めた。「ここまできたら全てを受け止めて、現実を受け入れる。心、技、体、どれも欠けちゃいけない」。だから、坂本が痛恨の失策をしても声をかけ、前を向く強さがあった。「何度も勇人さんには助けられてきた。宇都宮(1―0で前田に勝った4月22日の広島戦)でも飛びついてファインプレーをしてくれた」と全く責めなかった。
10勝目に王手をかけてから、過去2登板は足踏み。登板前日の14日は、原監督から「3年目の坊や」と辛口の言葉で奮起を促された。打力不足も指摘されたが、3回2死から5球ファウルで粘り、チーム初安打となる左翼線二塁打。「チームに勢いをつけられればと思った」と食らいついた。投打で意地を見せたエースには指揮官も「非常にいい投球だった。リズムも良かった」とねぎらった。
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この夜、上位2球団は勝利。首位ヤクルトとは1・5差、2位阪神と1差に開いた。菅野は防御率1・94で9勝10敗。今季23登板中、15試合で打線が2得点以下にとどまる。登板日の完封負けは4度目と、投打がかみ合わない。「(調子は)良かったですが、抑えきれないのは自分の弱さです」。残り13試合。チームとしてわずか1試合のために訪れた広島で、エースは厳しすぎる現実に直面した。
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敗戦投手になったとはいえ、菅野は登板間隔が空いたことを感じさせない投球だった。常に緊張感のある試合で投げてきた投手だから「ここで投げろ」と言われた試合への準備は完璧にできる。中10日といっても、故障などをして休養した後の中10日とは違った。ここ一番の試合のために万全の調整ができるのは、さすがエースだ。
すべてのボールがよくコントロールされていた。力のあるストレートに加え、緩い球、フォークボールも入れて、広島打線に狙い球を絞らせなかった。走者を出すとギアを上げる芸当も相変わらずで、初めて先頭打者を出した7回には、新井の外角低めにスライダーを投げ、計算通りに二ゴロ併殺打に仕留めた。
失点は坂本の失策によるもの。相手先発のジョンソンがよすぎて味方打線が点を取れなかった。2つの不運が重なったが、菅野は内容的には見事だった。この日の出来なら、ローテーションの軸として大いに期待していい。今後は優勝争いをする阪神戦に投げる予定。逆転Vへ、まさにエースのために用意されたローテーションだと言える。
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巨人がヤクルトの優勝マジック点灯を阻止した。先発の菅野は7回を3安打無失点。巨人では47年ぶりの入団から3年連続2ケタ勝利をマークし、チームの2試合連続完封勝ちを先導した。
打線では、不振にあえぐ坂本が6回に決勝の適時二塁打。勝負どころで片岡、寺内が犠打を決めるなど小技も光り、阪神を抜いて単独2位に浮上した。
阪神に小技を仕掛ける隙すら与えなかった。2回1死満塁。菅野は大和に対し、2球続けて直球でファウルを取り、外角スライダーで三振を奪った。「変なカウントにするとスクイズを警戒しないといけなくなるし、勝負の邪魔になる」。最初で最大のピンチ。わずか3球で乗り越え、勢いに乗った。
「いつも以上に気合が入った」という重圧の中でも、冷静な対応力を見せた。普段はプレートの三塁側を踏んで投げているが、その部分の埋め込みが緩く浮き上がっていた。(ちなみに20日、東京Dでは「Kis―My―Ft2=キスマイフットツー」のライブが行われ、グラウンドに多くの機材が搬入された)。そこで動じることなく、慣れないプレート真ん中部分からの投球を即決。7回無失点、10奪三振と適応した。
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戦術的には「福留さんの前に走者を出さないことを考えた」という。この試合前まで対戦打率6割1分5厘(13打数8安打)だった4番を全3打席走者なしで迎え、打線を分断した。
8月以降はわずかに1勝のみ。原監督から「3年目の坊や」と皮肉られた。前回15日の広島戦(マツダ)はジョンソンとの投げ合いに0―1で惜敗。10勝目前で3戦足踏みが続いた。ここで負けん気に火がつく。自らに高いノルマを課し先日、その一端を明かした。
菅野「今の野球で、防御率1点台は簡単なことじゃない。ましてや今年の序盤、あのような状態(本調子でなかった)にもかかわらずクリアできれば、自分にとって本当に大きい。ここまできたらタイトルを絶対に取りたい。ジャイアンツで誰もタイトルなしじゃ、示しがつかないでしょう」
個人記録のためにやるわけじゃない。「優勝しかない」からこそ芽生えた思いだった。防御率は1・86に向上。1・84でトップを走るジョンソンに肉薄した。巨人では堀内恒夫以来、47年ぶりの入団から3年連続2ケタ勝利。「1、2年目は達成感がなかった。今年は10勝まで長かったが、全然違う感触、気持ちがある」と振り返った。
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