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アウディ(総合)
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レクサスなんかより数段高いわバーカ(笑)
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移動手段は中古のアウディTT。以前はカブチョッパーに乗っていたが、今は「100万かけて改造した」と毎回自慢する。実際は安物のステッカーを貼っただけだが、本人の中ではフルチューンだ。
そんな中年男の娯楽は風俗。特に「看護師系」に目がなく、給料の大半をそこに注ぎ込む。ホスラブ掲示板歴は10年以上。匿名で吠えるだけでは飽き足らず、酔った勢いで自分の顔やアレを無修正で晒すこともある。「真のネット戦士」と自称しているが、ただの気狂いである。
過去にはアル中で救急搬送された経験もある。いまは病院通いを続け、薬を飲みつつも、看護師を見れば一瞬で恋に落ちる。だが「好き」と言うよりも「依存」に近い。精神はメンヘラ特有のジェットコースター状態で、ネットでもリアルでもすぐに喧嘩を売る。
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ある夜
彼は鏡の前でアクセをジャラつかせながら、自撮りを繰り返していた。
「俺は勝ち組だ。ブランド持って、アウディ乗って、看護師を妄想で抱いてる。お前らとは格が違う!」
シャッター音が鳴り、汚い鏡に映った自分を確認する。
そこにあったのは、ジャージに赤唐辛子の粉をべったりつけた太った男。口元は唐辛子で赤く染まり、首元のアクセは曇った鏡にすら安っぽく映る。
だが中年男はニヤリと笑った。
「今日も決まってるな、俺」
そしてその写真を掲示板にアップロードするのだった。
コメント欄には、いつものように罵倒と笑いが並ぶ。
──それこそが彼の生きがいだった。
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仮タイトル:「錆びたハンドル」
錆びついたハンドルを
両手で握りしめながら
都会のネオンに 映るのは
俺の膨らんだ影ひとつ
夢を改造費に変えて
擦り切れた財布を睨んだ
まだいけるとつぶやけば
胸の奥で何かが笑った
ブランドで固めた物より
消えそうな心を隠したくて
ペプシの泡を飲み干せば
今夜も孤独が喉を焼く
愛したはずの明日さえ
遠ざかるテールランプみたいで
戻れない季節を追いかけ
俺は走る このアウディで
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「割れたミラー」
錆びたアパートの壁に
投げ捨てた靴の音が響く
ペプシで膨れた腹を抱え
眠れぬ夜に震えてる
改造に100万つぎ込んだ中古アウディで
誰にも見られず走り出す
アクセルの奥に残るのは
夢じゃなく ただの空虚さ
ブランドで飾った身体も
汗にまみれりゃただの錆
映る自分に目を逸らして
割れたミラーに唾を吐く
「まだやれる」なんて嘘だ
わかってる だけど止まれない
燃え残りすらない俺の夜
闇を切り裂き走るだけ
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「錆びた夜に」
安いコーラで喉を焼き
飲み屋のカラオケで声を枯らす
隣に座る女の笑顔も
虚ろで 俺を映しはしない
太った身体に染みついた
タバコと寂しさの匂い
改造したアウディで飛ばせば
行き先なんてどこにもない
「愛してる」なんて言葉は
とっくに錆びついてしまった
女の香りと安い夜に
すがるしか 生き方を知らない
明日が来ることを
望んでいないわけじゃない
ただ今夜を越えられるほど
俺は強くはないだけ
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ペプシで膨れたこの腹を
笑うやつらに背を向けて
錆びたアウディのドアを叩き
今日も夜に飛び出した
女にすがって 酒に溺れ
気づきゃ俺も四十半ば
だけどまだ 終わっちゃいねぇ
この拳 握りしめてる
吠えろ俺よ まだくたばるな
汗と涙で染みたシャツを
引き裂くように叫べ
アスファルトの上で──
GUCCIの腕時計なんざ
時を刻んじゃくれねぇ
流れる血の熱さだけが
生きてる証になる
吠えろ俺よ まだ負けちゃいねぇ
錆びたギターかき鳴らして
砕け散るまで歌え
アスファルトの上で──
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オープニング
(ナレーション)
40代半ば。
坊主頭に100キロを超える体。
彼の愛車は、中古のアウディTT。
改造に注ぎ込んだ金額は100万円。
彼の一日は、いつもそこから始まる。
⸻
第一章:朝
カメラは築45年以上のワンルーム。
冷蔵庫を開けると、並んでいるのはペットボトルのコーラ。
おじさん、無造作に一本を開けて一口。
喉を鳴らす音が静かに響く。
ナレーション:
元アルコール依存症。
今の彼を支えているのは、炭酸の刺激だ。
⸻
第二章:昼
職場の帰り道、彼は松屋へ足を運ぶ。
牛丼に唐辛子を、赤く染まるまでかけて食べる。
カメラは汗を流しながら必死に頬張る顔を映す。
ナレーション:
ささやかな満足感。
彼にとっては、それがごちそうだった。
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第三章:午後
病院の待合室。
看護師が笑顔で声をかける。
おじさんの顔に、少しの照れ笑いが浮かぶ。
ナレーション:
白衣の優しさに、心がふと救われる瞬間。
彼は、それを求めて病院に通う。
⸻
第四章:夜
カブチョッパーにまたがり、ネオン街を走る。
バーの明かり。風俗の看板。
馴染みのお水の姉ちゃんに、小さなブランド物のプレゼントを手渡す。
ナレーション:
彼の財布は、いつも軽い。
けれどその分だけ、心は少し満たされる。
⸻
エンディング
夜更けのアウディTT。
窓を開け、街の明かりを背に走り去る坊主頭の影。
ナレーション:
彼にとって、明日がどうなるかは分からない。
けれど今日もまた、彼の物語は続いていく。
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