360 ― 日ソのその後のことですが、共同宣言でやってしまって、現在まで領土問題でどうにも決着がつかない。これでは永久に平和条約はできそうにもない感じですが、こういうふうになるかもしれないというのは、当時予想されたんでしょうか。 岸― われわれが共同宣言でやむを得ないと決意したのは、これは日ソ間だけでは解決しない、国際情勢の変化を待つ以外にないという気持があった。 ― それでもあの時ソ連側が、よく歯舞、色丹だけでも返すと言ったもんですね。ソ連は一度とったところは絶対返しませんから驚きますけれど。 岸― 行政的なことからいうと、歯舞、色丹は北海道の一部であって、千島ではない。その点についてソ連は多少別の考えがあったかもしれない。 岸信介の回想2018/01/29 23:001