146 143の続き 用務員のおじさんが「見た」ものとは…。 夕食を終え、肝試しを決行しようとしていた私達に、おじさんはおどろおどろしく語ることもなく、淡々と語り始めました。 その内容は、 深夜の巡回時に、2階の職員室から理系クラスの校舎へ渡り廊下を使って歩いていると、ほぼ必ずと言って良いほど「白い影のようなもの」が後をついてくる。 そしてその影は気がつくといなくなっている…。 そして、もう一つ。それは一度だけだったとの事で、音楽室の前を通過したら線香のような匂いが漂い、バスドラムのような楽器の音が「ドーン」と鳴った、と言うのです。さすがにその音を聞いた時は、相当驚いたらしく、吹奏楽部の部員がまだ校内にいるのかと思い、音楽室を開けたところ誰も居なかった…。との事でした。 私たちは白い影の下りでは、そこまでの恐怖は感じなかったのですが、音楽室の話では身の毛を震わせました。 何故なら、音楽室は全国大会に当時度々出場し、全国にも名を馳せる吹奏楽部の専用室であり、その吹奏楽部員に起きたある事と、その怪奇現象に因果関係があるのではと咄嗟に感じたからです。 つづく 主2021/02/06 20:33
147 用務員のその話は、私たち…と言うより肝試しを仕切っていた三年生部員に、即座に中止を決定させるにあまりに強力なものでした。 何故ならその前年に、吹奏楽部員が一人亡くなっていたのです。 原因が事故なのか病気なのかは、私が入学する前の事なので、記憶していませんが、当時全国大会に出場予定の部員が亡くなっていた、という事は校内では知られた事でした。そして、私たちはこの際それなりに長くこの学校に勤めて、学校事情に詳しいだろうそのおじさんに、学校にまつわるいくつかの話の真偽を聞いてみることとなったのです。そしてその結果、更に恐ろしい事実が判明することになりました… つづく 主2021/02/06 20:49
148 つづき 私たちが知りたかった学校の言い伝えとは三つの案件でした…。 まず一つは、学校には学生寮があり、その寮に二つある風呂場で心を病んでしまった寮生が自殺をしてしまい、その風呂場は使用することが出来なくなっているということ。実は、他の学校ではどうなのかはわかりませんが、私の母校は当時寮生の上下関係がそれはとても厳しく、特に強い部活に所属する三年生は「神様」的存在で、神様が「おーい、いちね〜ん」と呼ぶと、奴隷的存在の一年寮生は全員廊下に飛び出してくる、そんな有様でした。 寮生だけでなく部活の上下関係は過酷を極め、通いの生徒は帰宅すれば開放されるものの、新入寮生は一年365日解放されることはないので、それは大変なものでした。 当然、それに耐えきれずに退学する者や、寮を出て下宿に移る者も、稀ではあったにせよ存在しました。 そんな中で、辞める事も寮を出ることも許されず、地方から出てきた生徒のが心を蝕まれるのは、まったく不思議では無いと認識していました…。 そして、その事件の真偽について用務員おじさんは…。 後日につづく (明日は合コンの為お休みさせていただきます) 匿名さん2021/02/06 21:241
152 148の続き 寮の言い伝えの真相とは…。 それは事実でした。 私たちが生徒間で聞いていた話では、風呂場に血が飛び散り、その血がいくら掃除をしても取りきれないから血塗れのまま開かずの風呂場になっている、というものでしたが、実際は「そういう事があったので、誰も入りたがらないだろう」という事で閉鎖している、というのが実際の話だったのです。 もう一つは、校舎各階のトイレに不思議な扉があり、その扉は配管に繋がる扉で、一階から3階まで一本の配管が繋がっているため、扉を開けると配管を軸にすっぽ抜け状態になっているため、危険なのでいつも施錠されている…。しかし、それを知らない生徒が施錠し忘れた3階の扉を開けて、足を踏み入れてしまい、そのまま落下してしまった…。 結局その生徒は転落死してしまい、依頼何故か2階のトイレの鏡に、死んだその生徒の顔が映るので、鏡は撤去した。 というものでした。 実際、不思議なことに二階のトイレには何故か鏡が無かったので、この話は学校の怪談として知られていました。 この話についておじさんに聞いてみたところ、その真偽についての答えは…。 つづく 匿名さん2021/02/08 20:45
153 152続き おじさんによると、事故については知らない…。しかし、2階トイレにだけ何故か鏡が無いことについては「おかしなモノが鏡に映って見える、という言いだす生徒が多発したことがある」という理由で取り外したのは事実とのことでした…。 そして、最後に一番知られていたある言い伝えについての答えは、後年私が遭遇するであろうある恐怖体験に繋がるものでした…。 つづく 匿名さん2021/02/08 21:01