143 不可解な「モノ」を見るというのは、用務員仲間の間では、暗黙の事実的な認識だったようでした。 巡回は仕事上どうしてもやらなければならないし、互いに怖がらせる事をしてもしようがない。ましてや、そのような不可解な話を大きく取り沙汰して、学校の怪談に拍車をかける事は、用務員の彼らにとって決して利益になる話ではないことぐらいは、高校生だった私にも理解はできました。 しかし、敢えてその内容を合宿中の私たちに教えて肝試しの中止を提案してきたのは、その夏ひとりで巡回を請け負ったそのおじさんが、あまりにもたくさん「見た」からだと言うのです…。 つづきはまた後日。 主2021/02/06 01:211