069 中盤に効果的なタイムリーが出て快勝した巨人だが、不安も見えた。坂本の打撃内容だ。2打席目からの3打席、外角に逃げるカットボール、スライダーに同じ形で泳がされた。坂本が不調に陥る時の典型的なバッティングだったのが気になった。 坂本は器用な打者だ。好調な時には、タイミングを外されても左手1本で打球を運ぶハンドリングのうまさがある。しかし、この試合を見る限りでは、軸が崩れたまま打ちにいっている。ボールを迎えにいって当てているだけで、懐まで引き込んでいない。「不調に陥る前兆」と坂本自身も緊急にフォームをチェックした方がいい。 脱出法はある。センターから右方向へ打つ意識を持つことだ。その意識を持つだけでボールは長く見られ、ポイントまで引き込める。ポイントまでボールを引き込めれば、軸は安定するはずだ。 立岡が相変わらず好調だ。チームで最も出塁率が高い打者を生かすも殺すもクリーンアップ。特に3番打者のバッティング次第で得点力が大きく変わってくる。大詰めのこの時期、主力打者の不振が長引くことは許されない。早く自分の打撃を取り戻すことが必要だ。残り試合は少ない。 淡口憲治2015/09/19 07:08
070 切ない。ヨーイドンで5失点した高木勇人は、2〜5回まで完全投球だった。「あまちゃん」でいえば、ユイちゃんの「アキちゃん、逆回転してよ」のメールくらい切ない(見ていない人はスルーしてください)。 試合開始18分で5点目が入り大勢が決したが、一因は岡本だった。1点を先制され、なお1死一、二塁。森野の何でもない三ゴロをキャッチした後、二塁へ“置きにいった”。立岡が送球をこぼしてエラーとなったが、捕球していても、ゲッツーは難しかった。あの当たりなら、簡単に併殺打にしなければ、投手はたまらないだろう。 大胆さが売りのルーキーが守備で慎重になりすぎたわけだが、新人を責めても仕方がない。打線は3安打しか打てずに完封負け。最も「逆回転」してほしいのは、坂本勇人である。 一体、どうしたんだろう。最近の覇気のなさは、目に余る。4タコ3三振の打撃内容からは、そのうち打つんじゃないかといった“兆し”がまるで見られなかった。原監督は「キャプテンがクルックルッと三振しているようでは話にならない。3三振でしょ。こういうときこそ、キャプテンが引っ張らないと」と語気を強めた。その通りである。 匿名さん2015/09/24 04:18
071 岡本が脚光を浴びるたび、松井秀喜と坂本勇人が登場する。巨人で「高卒野手1年目」から活躍するのは、それだけ難しいということだ。 07年9月6日のナゴヤD、延長12回2死満塁。代打でプロ初安打初打点をマークし、坂本勇人のサクセスストーリーが始まった。残りは、泣いても笑っても10試合。せめて気持ちだけでも8年前に「逆回転」して、逆転V4に導いてもらいたい。 匿名さん2015/09/24 04:19
072 若かりし頃、アマ野球担当キャップを4年ほど務めた。最重要任務は巨人のドラフト1位をライバル紙よりも早く、正確に報じることだった。おのずとスカウトの方々へ取材する機会が多くなった。あるスカウトの言葉が忘れられない。 「ドラ1の選手は、特別な存在だよ。1年間、暑い日も寒い日も必死に見定めてね。スカウト部として『我々が最も推すのは、この若者です』という思いをこめて、現場に送り出すわけだから」 新人合同自主トレに初のキャンプ。報道陣の過熱取材に遭うのも、巨人のドラ1の宿命だ。良識派は言う。「まだ新人じゃん。そっとしておいてやれよ」と。だが前述のスカウトの見解は違った。 「そんなの全然プレッシャーに感じてほしくないよ。だって超満員の東京ドームで堂々と戦わなくちゃいけないんだから」 この日のオーダーを見て驚いた。スタメンには坂本、長野、大田、岡本、小林、菅野と歴代ドラ1が6人も並んだからだ。アンチ巨人が叫ぶ「ヨソからエースと4番ばかり集めやがって」は、もはや過去の話と言っていい。 匿名さん2015/09/24 04:30
073 事実上の「負けた方がV逸」マッチ。両軍の重圧は想像に難くない。そんな一戦でタイムリーを放った3人はいずれもドラ1。猛虎打線を7回無失点に黙らせたのもドラ1。最終回を封じ、33セーブ目を挙げた守護神も、これまたドラ1だった。 入団時から活躍を義務づけられ、伸び悩めばボロクソに叩かれる。そんな試練を乗り越えてこの秋、男達は東京Dの戦場に立つ。プレッシャー? どうってことねえ。入った時から慣れてるよ。そう言わんばかりに。 スタメンから阿部と村田が外れ、2連勝。秋風が吹く中、世代交代は緩やかに、着実に進んでいる。この日は東京DとG球場で計5万245人が巨人の勝利を見届けた。両球場とも、その中核をなすのはスカウト陣が汗を流して獲得に至った、生え抜きの男どもだ。 てなわけで運命の「10・22」(ドラフト会議)まで、残り1か月。巨人が1位で指名する逸材は、いったい誰になるのだろうか。他紙に負けないよう早く、正確に報じていきたいものです。 匿名さん2015/09/24 04:31
074 9回2死から空振り三振に倒れるなど、4打数無安打3三振。「このままではいけない。見ての通りなので、1打席でも早くいい状態になるように強い気持ちを持って、準備の段階からベストを尽くしていきたい」 匿名さん2015/09/24 04:48
077 ガッツポーズはない。笑顔もない。二塁ベース上、坂本は息を整えながら、淡々とバッティンググラブを外した。 「1点が重い展開だったので、先に点を取れたことが大きい」。0―0の6回1死二塁。岩崎のインハイ直球をとらえたライナーは、左翼フェンスを直撃した。安打は11打席ぶり、打点は実に24打席ぶりだった。 チーム69勝のうち、約4分の1となる今季16度目の勝利打点とはなったが、ここ数試合はどん底にいた。15日の広島戦(マツダ)、痛恨のエラーで決勝点を献上。菅野の力投をフイにすると、打撃にも陰りが出始めた。 右肩が下がり左肩は開く―。かつて「持病」とまで言われたポップフライが激増した。20日・中日戦(ナゴヤD)では4打数3三振に終わり、広島戦から5戦20打数2安打。原監督からも「主将がクルックルッと三振しているようでは話にならない」と断罪された。 匿名さん2015/09/24 13:28
078 もちろん責任は感じている。だが、落ち込むことはなかった。オフにキャプテンを任された時、「苦しい時でも絶対に下を向かない」ことだけは守り抜くと決めていた。前任の阿部を始め、歴代の中心選手たちは誰もがそうだったからだ。この日の試合直前も、ドリカムの名曲「何度でも」のサビを裏声で口ずさみながら、どっかりとベンチに腰を下ろした。 相手左腕に対し、初回2死では初球141キロで二飛。4回無死でも、フルカウントから高め直球で二飛に倒れた。「真っすぐが思ったよりも来ていた。タイミングの取り方は大きく変えていませんが、自分のスイングの形で、と。修正することができました」。重圧から逃げずに戦ってきたから、冷静でいられた。 試合前の練習中、肩の開きや踏み込みを助言していた指揮官は「今までが本来の力を出していなかった。こういう時に勇人がぐんぐんチームを引っ張って、攻守にわたってやってもらいたい」と注文をつけた。 坂本も「レギュラーで試合に出ているので、常に結果を求めてやっています」と言い切った。これで復活…とは誰も、そして本人も思っていないはずだ。 匿名さん2015/09/24 13:29