268 (佐山治)「おら!オマエ遅いやん。どないしたんや?」 (安羅木)『お待たせして大変申し訳ございません佐山様。本日も御来店頂き誠に有難うございました。実はですね、弥生から佐山様にプレゼントがあるそうです(笑)。お手数ですが、いまいちど2階の個室まで来ていただけないでしょうか?』(佐山治)「へ?おお!ワイにプレゼントかいや!ほな嬉しいわ。待て。いますぐ行くで!」 佐山はVIP室を出る。そして、階段で2階へと上っていく。165cmで100キロの巨体。 匿名さん2012/10/20 18:19
269 酒に酔い始めてきたのか、肥満体の動きがさらに緩慢になってきている。安羅木は、佐山の後に続く。(安羅木)『つきあたりを左に。一番奥の部屋になります。』・・・(佐山治)「ん?ドア開けるで?」(安羅木)『どうぞごゆっくり。私は下でお待ち致します。あとで弥生と一緒に降りてきて下さいませ。』(佐山治)「お!了解!」 佐山治は個室のドアを開ける。しかし..... 誰もいないではないか?怪訝な表情の佐山治。すると、‘ガツン!’佐山治は、両目玉が飛び出んばかりの衝撃を覚える。 匿名さん2012/10/20 18:20
270 後ろには、バールを手にした安羅木の姿があった。(佐山治)「な、なにするんや!なんや貴様!」 安羅木は、よろめく佐山の左こめかみ部分をさらにバールで殴打する。(佐山治)「うぉ〜!」 安羅木は、佐山治の上着を掴み、個室端の浴槽まで引っ張っていく。そして、次に佐山治の髪をわし掴みにし、彼の顔面を浴槽にためた湯に押しこんだ。「あぶぶ、ぶ、あぶぶぶ!あぶぶぶ!」「あぶぶ...あぶ..あぶぶぶ!」必死に抵抗する佐山治。対して、安羅木は終始無言のまま表情を変えず。 匿名さん2012/10/20 18:20
271 全身の力を振り絞り、佐山の顔面を湯中に押しこむ 、押しこむ。バールで殴打された頭部から血が漏出している。そして、浴槽の湯は徐々にピンク色に染まっていった。「あぶ...ぶ...」 しばらくの後、佐山治はぐったりする。絶命したのだ。・・・・・・(続きは次回) 匿名さん2012/10/20 18:21
272 【小説】「愛の蹉跌」=第28回= 安羅木(やすらぎ)一郎は、吉原エンペラー2階の個室で、煙草を吸いながら、遺体遺棄場である秩父までの走行ルートを地図で再度確認する。『もし、ガソリンが不足していたら、近所の日本堤のスタンドで補給しておこう。』 浴槽に目を移す。湯をはった浴槽に上半身を突っこんだままの佐山治。馬鹿が。ざまあみろ。芙美江を苦しめてきた当然の報いだ。出かける前に湯を抜き、血が飛び散っている床ともども綺麗にふき取らなければならない。 匿名さん2012/10/21 09:24
273 ボーイの下積みが長かった安羅木。そんなの10分もかからず終わらせるわ。そうだなあ、いま午前1時か。出発は30分後にしよう。・・・安羅木は、あらかじめ用意しておいた大袋に、裸にした佐山治の遺体を入れる。チャックを閉める。佐山治の衣類と凶器のバールは自分の寮に持ち帰り後日処分する。よし!安羅木は、外に出る。2月の深夜、冷気が身を激しく突く。石鹸の匂いが残存する深夜の吉原ソープ街。真っ暗で不気味な静けさだ。江戸遊郭から350年超の歴史をもつ吉原。 匿名さん2012/10/21 09:25
274 数百年前の遊女達の地縛霊が出てきてもおかしくない。安羅木は、大袋を背負う。重い。遠くにリネン業者のトラックが1台止まっているだけだ。自分を見ているのは誰もいない。よし今だ!安羅木は、駐車場に向かい、佐山治のBMWトランクに大袋を放り込む。そして、一路秩父へ向け車を走らせた。・・・・・・(大崎刑事)「それで?途中、清瀬のファミレスに立ち寄り、そこでお前が殺害した西田美幸が偶然居合わせたと?そういうことか?」(安羅木)『はい。』 匿名さん2012/10/21 09:25
275 (大崎)「秩父のマンホールに佐山の死体を遺棄し。その後、お前は渋谷にある佐山治のマンションに向かった。だな?」(安羅木)『その通りです。車と部屋の鍵は奴のマンション室内に置いてきましたよ。オートロック式ドアでした。私は渋谷から電車を使い吉原に戻りました。』 安羅木に罪の意識などまるでない。淡々と佐山治殺害の状況を終始落ち着いて供述してきた。(大崎)「おい」(安羅木)『はい?』(大崎)「お前、本当に自分がしたことを悪いと思わないのか?」 匿名さん2012/10/21 09:25
276 (安羅木)『ええ。悪いことをしたという意識はないと。先日も申し上げましたよね?奴はああなって当然の人間なんだと。私は、彼の被害に遭ってきた人達の代わりに奴を成敗しただけ。そう思ってます。』(大崎)「じゃ聞くがね、お前が平和島で遺棄した西田美幸はどうなんだ?」(安羅木)『・・・・・・』(大崎)「お前の犯行に気付き、お前をゆすった西田美幸は確かに悪い。だが、あの子は故郷の九州で独り暮らしの母親に毎月仕送りしていたそうだ。」(安羅木)『・・・・・・』 匿名さん2012/10/21 09:25
277 (大崎)「母親は、わざわざ昨日上京し、ここに来たんだ。犯人、つまりお前を絶対に許せないと。厳罰に処してほしい。そう言ってたぞ。お前がやったことは、佐山治と変わらないじゃないか?!というか佐山と同じだ!!」 大崎に大声で叱責されると、安羅木は両手で顔を覆う。そして号泣し始めた。・・・それから1時間ほど後のことである。取調べが終了し、安羅木は留置場で横になっていた。そのとき......先ほど取調べ最中に思い出した「ある事」について考えていた。 匿名さん2012/10/21 09:26