198 (安羅木)「ち、違う!それは違います。」「私は、恥ずかしい話ですが、前述の岡野芙美江さんに密かに惚れていました。彼女に魅かれていたボーイは他にもいたと思います。ちょうど私は、マネージャーに昇格したこともあり、嬢達の相談にのり、彼女達を束ねる役を任されるようになりました。それで、ある日、芙美江さんから深刻な悩みを打ち明けられたのです。」・・・・2009年5月下旬のある日。(安羅木)「弥生さん今日もお疲れ様でした。気をつけてお帰り下さい。」 匿名さん2012/10/01 15:09
199 (芙美江)「あのぉ....」(安羅木)「ん?何か?」(芙美江)「相談したいことがあるんです。人に聞かれたくないことなんです。」 顔は青ざめ、やつれている芙美江。悩みごとがあるんだろう。(安羅木)「分かりました。まだ精算が終わっていない子が他にいるからね。土手通り沿にファミレスのデリーズがあります。場所知ってますか?」(芙美江)「はい。」(安羅木)「そこでお話を聞きましょうか。申し訳ないけど、先に行っててくれますか。」・・・・・(安羅木)「待たせてごめん。それで、相談とは?」 匿名さん2012/10/01 15:10
200 (芙美江)「私をいつも指名している客の佐山。」(安羅木)「ええ佐山さん。常連様ですね。」(芙美江)「あいつは私の敵(かたき)悪魔なんです。」(安羅木)「・・・・・」(芙美江)「佐山は私の母を殺した加害者です。まさか、あの顔をまた見ることになるなんて。それも、吉原で接客することになるなんて!もう死にたい。地獄です!」 芙美江はその場で号泣した。・・・(安羅木)「ねえ刑事さん。私は2名の命を奪った殺人鬼です。偉そうなことはいえません。でもね、この際はっきりと言わせてもらいます。 匿名さん2012/10/01 15:10
201 佐山を社会から隔離せずに、社会で野放しにしてきたのは国家であり、警察。つまりあんた達だ。そうアンタらの責任なんだ!佐山をずっと刑務所に入れとけば、彼の害悪に泣く人も、迷惑をこうむる人も出なかった。私はそれが許せなかった。佐山は、ああなって当然の人間なんですよ!芙美江さんの敵を討ったこと。これについて反省はしていない。正直な話ね!」 大崎刑事は、腕を組み、じっと安羅木を無言のまま睨みつける。確かに、佐山治の前科記録には「殺人罪」とあった。 匿名さん2012/10/01 15:10
202 もちろん、他にも罪を犯し処罰されてきた男である。佐山治が岡野芙美江の母を殺害した?・・・・これも後で記録を調べてみよう。佐山治が犯した殺人事件とは何か?話は27年前に遡る。・・・・・・・・(続きは次回) 匿名さん2012/10/01 15:11
203 【小説】「愛の蹉跌」=第21回= 地元の三重県で女児に対する強制わいせつ、準ごう姦未遂で逮捕された佐山治。当時17歳であった。昭和59年(1984年)のことである。彼は、それ以前から窃盗、恐喝、器物損壊などで度々補導されてきた。上記の事件で、三重県の津家庭裁判所は、彼を三重県伊勢市の‘宮元医療少ねん院’に送致処分とする。 「情緒的未成熟が伺われるので、当医療少ねん院にて矯正教育が必要である。」との家裁の審判官(裁判官)の判断であった。 匿名さん2012/10/01 18:03
204 翌年、彼は、医療少ねん院を出所。そして、こつ然と姿を消した。・・・・・昭和60年(1985年)3月。18歳になった佐山治は、東京にいた。家出をし、金が底をつきそうである。引ったくりをやるか、食品の万引きをやるか。それとも強盗でもやるか。JR京浜東北線・桜木町駅行の電車内で、その後の犯罪計画について思いをめぐらす佐山治。そう、医療少ねん院での矯正教育など、彼の矯正には何の役にもたっていなかったのだ。そうしたところ、JR大森駅で1人の女性が乗り込んできた。 匿名さん2012/10/01 18:03
205 30代半ばであろうか。服装と所持しているバッグから、いいところの「奥様」に見受けられる。佐山治は、じっとその女性をみつめていた。女性は、JR鶴見駅で下車。彼もあわてて下車し、女性のあとをつける。「ウヒヒ(笑)・・・・」 不気味な笑みを浮かべる佐山治。・・・女性は、鶴見駅前でバスに乗った。そして、15分ほどで‘下末吉’という停留所に到着し下車する。険しい坂道を登っていくと、洒落た分譲マンションがあった。女性はそこの住民だろうか、マンションに入り、入り口左側の郵便ポストから郵便物を取り出す。 匿名さん2012/10/01 18:04
206 そして、エレベーターに乗り込んだそのとき、若い男が飛び込んできた。女性のわき腹にナイフを突きつける。「おらッ!声だすんじゃね!声だしたらころすで!はよーボタンおさんかい!」 佐山治である。(女性)「なんなのあなた!離しなさい!」 (佐山治)「ええから、あんたの部屋まで案内しな!金や、金くれたらそれでええねん!おとなしゅう金だしたら、わいすぐに帰るでんな!」 桜開花直前の平日昼間のことであった。それから数時間後、ランドセルを背負った少女が帰宅した。 匿名さん2012/10/01 18:04
207 『あれ?鍵が開いてる。』『ただいま〜おかあちゃん?帰ったよ!』 少女は、室内に入る。そして、・・・・・ リビングルームの中央にメッタ刺しにされた母の遺体、リビングからキッチンにけけて血の海が広がっていた。そう、この少女こそ岡野芙美江であった。芙美江はすぐに110番通報をし、職場の父に連絡を入れた。鶴見北警察署の捜査員がマンションに到着。そく周囲の聞き込みを行うとともに、現場周辺を捜索。結果、近くの三池公園で血のついたナイフが発見される。 匿名さん2012/10/01 18:06