118 暇で客がつかないからな。このまま店で待機しても時間の無駄。仕方あるまい。もしかしたら、デリヘルとかけもちしているのだろう・・・エンペラーは、社長の黒澤の方針で他風俗との掛け持ちは厳禁である。しかし、彼女達にも生活があるのだ。こう吉原が暇で、客数が激減している状況ではどうにもならない。安羅木も、内心気付いてはいる。 匿名さん2012/09/05 23:04
119 しかし、彼女達のデリヘル掛け持ちを黙認しているのが現実であった。店としても、客を集められない以上は、姫達に強く出れないのだ。そして、姫の管理がますます難しくなる。・・・・今日のエンペラーは、19時現在で来客数はたったの3。この後の予約数が1。明日の予約はガラガラだ。フロントの傍に突っ立っているボーイはスマホン携帯をいじりっぱなし。もう1人のボーイは、腰が痛いといって、さっきからずっとしゃがみこんでいる。安羅木の直属の部下である平野田主任。彼はどこだ....? 匿名さん2012/09/05 23:04
120 なんと広い待合室を1人で占領し、来客用のビールを何缶も空けた。すでに酔っ払っている。「ぎゃははは!!」「がハハハ!!」 待合室の大型テレビを観ては笑い転げる始末だ。バラエティー番組である。モチベーション低下どころではない。吉原の‘一流全国ブランド’。そんなものは、今や過去の遺物であろう。激烈な風俗業界の客獲得競争。それに無残にも敗れ去り、客の支持も失い、将来の展望もない。末期的かつ殺伐とした崩壊絵が安羅木の目の前に繰り広げられていた。・・・・・ 匿名さん2012/09/05 23:04
121 で、当の安羅木はというと?彼も、これまた仕事の意欲などとっくに喪失した。ヤミ金(兼)風俗経営者の佐山治。そして、鶯谷デリ姫の西田美幸。2名の命を奪った殺人鬼である。彼は、いかに逮捕から逃れるか。それで頭が一杯で、考えていることはこの1点だけである。事件を闇に葬り、現在は富山県で暮らす岡野芙美江(エンペラー元NO1姫)と結婚し、幸せになるためである。もはやエンペラーの運営などどうでもよくなっていた。小姑のようにやかましくウザイ黒澤社長。 匿名さん2012/09/05 23:04
122 あの素人社長に何を言われようが、怒鳴られようが馬耳東風。てめえの店だろ?俺が辞めたら、てめえ1人で運営すればいい。そう開き直る安羅木であった。フロントの机上に全国紙の三面記事がある。・・・〜ヤミ金大手元締め逮捕〜・・・‘埼玉県警察本部捜査4課は、○○日、東京都港区六本木「二光エステート金融」社長○○○○を組織犯罪処罰法違反で逮捕した。’・・・・・安羅木は、この社長と面識があった。そう、佐山治と一緒にエンペラーに来店したことがあったからだ。 匿名さん2012/09/05 23:05
123 三面記事に掲載されている社長の顔写真を再度みる。ん。間違いない。この顔は見覚えがある。佐山治のボスが捕まったか。しかし、なぜ埼玉県警なのだ?秩父の白骨腐乱死体の身元が割れた。佐山治だと警察は気付いたに違いない。そう考えるべきでだろう。安羅木の額から汗が吹き出てくる。急に胸騒ぎがしてくる。西田美幸の死体はいまだ発見されずだ。しかし、こちらも時間の問題である。西田美幸が所持し、安羅木に対する恐喝に使っていたあの写真だ。 匿名さん2012/09/05 23:05
124 そう、あの写真をみつけ回収するのだ!それしかない。それが出来れば犯人が自分だとバレることは永久にないはずだ。真相は闇に消える。ん。あともう少しだ。・・・しかしだ...安羅木は、西田美幸のバッグに入っていたマンションの鍵を使い、千束3丁目の彼女のマンションに2度侵入し、室内をくまなく探したのに。写真は出てこなかった。パソコンと携帯にもデータは存在しなかった。美幸のマンション室内は、さしずめ‘水族館’のよう。熱帯魚が好きだったのか、室内はいくつもの大型水槽で覆われていた。 匿名さん2012/09/05 23:06
125 おかげで、灯りをともさなくても、十分。助かった。これから、再度、美幸のマンションに行ってみようか。安羅木は、ボーイに声をかける。『おい!』「は、マネージャー。何でございましょうか?」『僕は、これからちょっと外出するわ。2時間ほどで戻るよ。平野田君にいい加減にしろと。フロントに座るよう伝えておいてくれ。』「はい。」・・・・安羅木はエンペラーから徒歩で美幸のマンションへと向かう。10分もかからない。美幸を車内で絞殺したときのおぞましい光景が脳裏に浮かぶ。 匿名さん2012/09/05 23:06
126 ここまで来たのだ。あと少しの辛抱だ。美幸のマンションが目の前に現れた。が、次の瞬間、安羅木の背筋が凍りつき、全身の血の気が引いていった。なんと、美幸の部屋に灯りがともっている。誰かいる・・・。いったい誰なのだ?・・・・・・・・・・・・(続きは次回) 匿名さん2012/09/05 23:06
127 【小説】「愛の蹉跌」=第13回= 安羅木(やすらぎ)一郎が殺害した鶯谷デリ姫の西田美幸。彼女のマンション室内に灯りが・・・・。度肝を抜かれた安羅木は、とりあえずマンション入り口へと急ぐ。すると、中年で太めの女性が入り口に立っていた。見覚えがある顔だ。「あら!安羅木さん?そうだ安羅木さんだ!久しぶりです!」 彼女の名は、小松佳子(本名)。安羅木が以前在職していた吉原ソープ‘サテンドーレ’で一緒だった元姫である。当時の彼女の源氏名はマロンであった。 匿名さん2012/09/08 01:08