109 【小説】「愛の蹉跌」=第11回= それからしばらく後・・・・東京六本木にある雑居ビル3階に小包をかかえた宅配スタッフの男が現れた。‘二光エステート金融株式会社’ドア横のチャイムを押す。〜ピンポン〜「はい」『あ、東濃急便でーす!荷物をお届けに参りました。』「はい」 事務員とおぼしき女性がドアを開ける。スタッフは小包を女性に手渡す。ところがである。軽い。何だこれは?カラ箱ではないか?.... 匿名さん2012/08/30 00:08
110 と次の瞬間、宅配スタッフの男性と入れ替わり、スーツ姿の男性が次々とドカドカ事務所内に入ってくるではないか。10名近くの男達が二光エステート金融に無言で押しかけてきた。「な、なんなの?!あなたたちは!」 『埼玉県警だ。おたくの会社を貸金業規正法違反並びに出資法違反容疑で家宅捜索する。責任者をだしなさい。』 角刈り頭の刑事が家宅捜索令状を女性に示す。そして、奥から北大路欣也風の年配男性が姿をあらわした。紫色のスーツを着ている。「私が社長だが?何の騒ぎですかな?いったい。」 匿名さん2012/08/30 00:09
111 角刈り頭刑事の令状に目を通した社長。「うちは、まっとうな金融業と不動産取引業を営む会社ですぞ。法に触れることはいっさいしとらん。」『嘘つけ!ヤミ金の元締めだろうが。』 ....二光エステート金融は、暴力団山菱組系のフロント企業である。大阪を拠点とする山菱組傘下組織が経営する。主に不動産競売物件の取引、並びにヤミ金融の大手元締めとしてウラ社会で知られてきた。近年は、オレオレ詐欺の関与も疑われている問題企業である。 匿名さん2012/08/30 00:09
112 (角刈り刑事)『お宅の資料をぜんぶ押収するからね。直接の容疑は、埼玉県所沢市在住の主婦に法定金利を大幅に上回る暴利で貸付けた出資法違反。ヤミ金のパシリがぜんぶゲロしたんだよ。』 なんと角刈り刑事の隣には、秩父東警察署の高原雅浩が同席している。そう、秩父マンホール死体遺棄事件の主任刑事だ。高原が口を開く。(高原)『ところで社長さん。この男知ってるよね?』 白骨腐乱死体で発見された佐山治の顔写真を差し出す。 匿名さん2012/08/30 00:09
113 (社長)「(一瞬ビクっとする)・・・さあ、知りませんな。誰ですかこのデブ男は?」(高原)『何者かに殺害され、白骨死体で発見された男。4月にね。』 高原は、遺体発見現場のマンホール周辺の写真、白骨写真、粘土細工を施した頭蓋骨写真を次から次へと机に並べていく。(社長)「や、やめたまえ!何を考えておるんだ君は!佐山なんて知らん!」(高原)『おや?あんた、この男を知らないとさっき言ったばかりだよ。』(社長)「・・・・・・・・・」(高原)『何者か知らないのに、なぜ、この男の名前を知っている? 匿名さん2012/08/30 00:10
114 マスコミは、身元が判明したと報道しただけ。被害者の氏名は今も公表していないんだよ。おかしいじゃないか。え?答えろ!』 高原はガンっと机を叩く。(角刈り刑事)『まあまあ・・・。ねえ社長さん。あなた、娘さんの結婚式もうすぐだよね?なんなら、あんたを殺人と死体遺棄容疑で逮捕状とってもいいんだぞ。そしたら、娘の花嫁姿みれないね。』(社長)「わ、わ、わかった。わかったよ。全部答えますわ。佐山治。知っておる。うちの下で働いておった。 匿名さん2012/08/30 00:10
115 ん。刑事さんがいうヤミ金。営業部隊の1人だった。」「佐山は、渋谷で風俗店を経営しとった。でも、経営難で金がないと。そんで知り合いの紹介でうちにきたんだ。紹介者は、渋谷の住田会系の893組員だ。」「一昨年の2月頃やったな。急に連絡がとれなくなってしもうた。音信不通や。それいらい奴とは会っておらん。」(高原)『本当か?お前が殺ったんじゃないのか?!』(社長)「ち、ちがう。わしは知らん。やってない!本当だよ!信じてくれ!」 匿名さん2012/08/30 00:10
116 (角刈り刑事)『佐山治が貸付けていた顧客リスト。ありますか?行方不明になる以前のものだ。』(社長)「ああ。ある。」(角刈り刑事)『さっきも言ったけど、おたくの会社の資料を全部押収する。佐山治の顧客リストはその1つというわけだ。別件逮捕だなんだ後で騒ぐんじゃねーぞ!おい!分かったか?!お前!』 二光エステート金融の社長は、ただただ頭を下げ頷いていた。・・・・・・・・・(続きは次回) 匿名さん2012/08/30 00:11
117 【小説】「愛の蹉跌」=第12回= 「マネージャー」・・・・「マネージャー!!」 フロントに座っていた安羅木(やすらぎ)一郎はハッと我にかえり見上げる。吉原高級ソープランド‘エンペラー’在籍の由里華(ユリカ)が目の前に立っていた。「帰っていいですか?」『え?どうして?なにかあったの?』「ん〜ちゃっと・・・体調が悪いから。帰らしてください。」仏丁面のユリカが答える。『あ、ああ。いいですよ。お大事にね。ごめんね、お客さんつけられなくて....』 体調が悪いなんて嘘だろう。 匿名さん2012/09/05 23:03