088 しかし手がかりがないのである。‘これは一体なぜなのか?’....捜査本部詰の捜査員らは想定外の難局に直面し、途方に暮れ始めていた。ベテラン刑事(デカ)の高原は、被害男性像について、1つの推測をたてていた。・・・「被害者は、暴力団関係者。あるいは何らかの犯罪に手を染めていたウラ街道の人物ではないか?」・・・アウトローの場合、内輪もめなどで、組織に殺害され闇に葬られるケースは珍しくない。仮に家族がいても、家庭崩壊などで、 匿名さん2012/08/19 02:49
089 家族に関心をもたれず忘れ去られてしまっていることが多いものだ。結果、情報提供はまず期待できないで終わる。・・・ 他方、別の可能性として、被害者が韓国人や中国人等である。この可能性もあるだろう。.......1981年(昭和56年)の始めから春頃にかけて新宿歌舞伎町のラブホテルで3名の女性が相次いで絞殺されるという痛ましい事件があった(通称‘新宿ラブホテル連続殺人事件’)。それぞれ別のホテルで事件は起きた。そして、ラブホテル従業員の目撃証言から、 匿名さん2012/08/19 02:49
090 3名の女性とチェックインしたのは、いずれもスーツを着たサラリーマン風の中高年男。同一犯の可能性が極めて高い。しかし、残念ながら犯人は特定されず事件は迷宮入りしてしまう。とっくの昔に公訴時効を迎え、捜査は打ち切られてしまった。捜査にあたった警視庁と新宿警察署は、なぜ犯人を検挙できなかったのか?...その理由の1つとして、3名の被害女性のうち、1名の身元が最後の最後まで判明しなかったことにある。この1名は全裸死体で発見され、 匿名さん2012/08/19 02:50
091 さらに衣服や所持品が全て無くなっていた。そう、犯人がラブホテルから逃走する際に持ち去ったのである。この被害女性は、歯が悪く、多数の治療痕が残存していた。そこで、警察は、歯科大学、歯科医院など全国の歯科治療施設に被害女性の治療痕データを照会し、身元を割り出そうとした。ところがである。一致する該当者が出なかったのだ。この捜査に多大な労力を削がれてしまったことが警察の、いや、良好で平和な治安を願う我々市民の敗北の引き金となった。 匿名さん2012/08/19 02:50
092 「おそらく被害女性は、韓国や台湾などから来日したアジア系外国人だったのではないか?」...事件が起きた81年。30年超も前の大昔だが、当時すでに新宿歌舞伎町や隣の大久保では、アジア系外国人女性がホステスや風俗姫として多数働いていた。彼女達の1人が、犯人に声をかけられ誘われたのではないか?そして、犯人と一緒にラブホテルに入り被害に遭った。.......今回のマンホール事件の捜査責任者である高原雅浩。彼は、当然、上記の新宿ラブホテル連続殺人を知っている。 匿名さん2012/08/19 02:51
093 被害者の身元特定作業でコケると、もはやお手上げ状態。迷宮入りする可能性がグッと高まってしまう。「いや、絶対にそうさせん!必ず身元を割り出してやる!必ずだ!」 短髪で色黒。がっちりした体格の‘熱血’刑事は、不安を打ち消しながら捜査に没頭していく。・・・・・その頃、安羅木(やすらぎ)一郎は、未だ布団の中にいた。あれから2年数ヶ月が経過したが、心休まる日など1日たりとてない。いくら愛する女のためとはいえ、とんでもないことをやってしまった。 匿名さん2012/08/19 02:51
094 自責と後悔の念が入り混じり不眠症に悩まされる日々である。今日も眠りについたのは明け方5時頃だったであろうか?...安羅木は、夢の中で、暗い夜道をひたすら1人で走っている。ずっと1人だ。そして、目の前に白光を放つ巨大な鉄塔が突如現れた。そう、あの「現場」で見た鉄塔だ。恐怖で足が動かなくなった安羅木。そして、後ろを振り向くと..... 匿名さん2012/08/19 02:51
095 / ̄ ̄ ̄ ̄\ ( 人___ ) |ミ/ ー◎-◎-) (6 :(_ _):) ノ|/∴ノ 3 :ノ、 / \____.ノヽ 『あッあ〜ッ助けてくれぇ!』安羅木は大声で叫び、布団から飛び起きた。夢か....。思わず頭をかかえこむ。もう8時だ。起きて仕事に行かなくては。登校途中の小学生達の声が聞こえてくる。純粋で、穢れていない子供達の無邪気な声が安羅木の耳に吸い込まれていく・・・・・・・(続きは次回) 匿名さん2012/08/19 02:52
096 【小説】「愛の蹉跌」=第10回= 安羅木(やすらぎ)一郎は、鶯谷デリ姫の西田美幸に深夜呼び出しを受けた。6月上旬のことである。(美幸)「お・ま・た・せ♪ウフフ!いいクルマ乗ってるのね?あ、店の送迎車ね!」 鶯谷駅北口ラブホテル街の端に駐車場がある。安羅木は、そこで美幸と待ち合わせたのだ。美幸は左の助手席に乗り込んできた。香水臭がきつい。......(美幸)「たしかに20万円ね。ありがとchu☆。毎月大変だわね。でもさ〜察にタレこまれてムショ行くよりずっといいもんね♪ 匿名さん2012/08/27 23:10
097 口止め料としちゃ安いもんよね。」「秩父の白骨死体みもと割れないわね(笑)。あれ誰なの?」(安羅木)『誰だっていいだろう。お前には関係ないさ。』(美幸)「そっねっ!知らぬが仏っていうもんね!♪」「あとね、来月7月から月30万円ちょうだい。10万円アップ也ぃ!」 ....口止め料アップの通告である。とんでもない悪女だ。しかし、安羅木はなぜか寡黙のまま。これに美幸は拍子抜けする。(美幸)「ねえぇ聞いてる?」(安羅木)『ははは(笑)』(美幸)「・・・・・」 匿名さん2012/08/27 23:11