000
白鳩の部屋(白・ω・鳩)-9
+本文表示
097
098
099
実は、こうした批評し合う関係によってしか、人は自分の「自己ルール」を理解することはできない。私たちは誰でも、自分なりの「自己ルール」を、いわば感受性のメガネとして掛けている。これは長い時間をかけて形成されたものだ。だから、自分の感受性のメガネがたとえゆがんでいたとしても、自分一人では決してわからない。自分のメガネの見え方が適切かどうかに気づくのは、他人のものの見方と自分のものの見方とを比べて、その違いや偏りに気づくときだけである。
100
もちろん、全ての人が自分の「自己ルール」を自分のメガネとして掛けているのだから、絶対に正しいメガネというものは存在しない。しかしそれでも、私たちは批評し合うことを通して、さまざまな他者の「自己ルール」と自分の「自己ルール」との違いを少しずつ理解する。そのことで初めて、自分の「自己ルール」のありようを自覚し、了解する。また、批評を重ねていくことで、私たちは互いの「自己ルール」を常によりよい形に編み直していくことができるのだ。
101
言葉がたまらなければ、批評し合う友人関係はもつことができない。批評のない友人関係では、本当の意味で自分を知ることも、相手と理解し合うこともできない。「批評」の言葉を自分の中にゆっくりためていくことは、自分を深く理解すること、相手とより確かな関係を築くこととしっかりつながっている。
103
はじめに
空を見上げれば、あたりまえのように浮かんでいる月。月は、私たちにとって、最も身近な天体の一つだろう。古来、日本では美しい自然の風物を「花鳥風月」「雪月花」とよび、めでてきたが、月はそのどちらにも入っている。日本人は月が好きだ。
月を眺めながら、誰もが一度は思ったことがあるのではないだろうか。なぜ、そこにあるのか。天文学的にいえば、月は、惑星である地球の衛星であり、地球半径の約六十倍の所を約二十七日かけて公転している(図1)。また、地球に最も近く、地球外で唯一、人類が到達した天体でもある。これまでに、さまざまな探査も行われてきた。アメリカの月探査計画・アポロ計画で持ち帰られた岩石の分析により、月の表面がどんな物質でできているかが明らかになった。また、探査機による重力の測定によって、月の内部構造も推定できた。しかし、月の組成や構造が明らかになればなるほど、その起源についての謎は深まるばかりであった。
104
月とは、いったいどのような天体で、どのようにして誕生したのだろうか。
不思議な衛星・月
月の起源を考えるには、月がどのような天体なのかを知っておく必要がある。月は、実は特異な天体なのだ。
105
>>94
そうだね( ・◇・)アイドルとか大変そうだね( ・◇・)追っかけとか強烈そうだもんね
106
まず、太陽系の他の衛星と比べ、惑星(地球)に対する質量が非常に大きい。他の衛星は、最大でも惑星質量の約三千分の一にすぎないのに、月は地球質量の八十一分の一もある。月の惑星に対する質量比は、太陽系で最大なのだ。
107
また、岩石でできた天体の中では、鉄の割合が極端に少ない。地球をはじめ、岩石でできた天体の中心には主に鉄から成る「核」があり、それを岩石の層が包んでいる。普通、核は天体の全質量の二十〜三十パーセント程度を占めるが、これに対し、月の核は全質量の僅か三パーセント以下だろうと推定されている(図2)。
※このスレッドのコメントはこれ以上投稿できません。