406
巨人はヤクルトに2―3で敗れ、3連敗で対戦成績1勝4敗(ヤクルトに1勝のアドバンテージ含む)で終戦。先発ポレダは自身の野選から失点を許し2回3失点(自責2)でKO。貧打にあえいでいた打線は5回、阿部の2点適時打で26イニングぶりの得点を奪ったが、もう一押しが足りなかった。短期決戦で守備のミスが絡み、打線も元気がないまま日本シリーズ進出を逃してしまった。
巨人は第1戦に逆転勝ちしながらも、その後、3連敗であえなく終戦した。
打線は最終Sで25イニング連続無得点を記録するなど、シーズンと同様に貧打にあえぎ、4試合でわずか6得点。チャンスの場面で、あと一本が出ずG党からは深いため息の連続となった。4番・阿部がCS最終Sで打率・688と気を吐いたが、長野が13打数2安打で・154、村田は8の0など主軸から快音が聞かれずじまい。
守備でもミスからの失点する場面が目立った。第2戦では阿部が1死三塁の場面で雄平の一ゴロを阿部が三塁へ送球する野選から失点し流れを失った。第4戦でもポレダの野選から先制点を失うと、村田の失策も3点目に直結してしまった。
407
ヤクルトにわずかなスキに付け入れられ、最後まで貧打と拙守に苦しんだ。
408
下克上の夢が、はかなく消えた。9回2死。代打・高橋由のバットがバーネットの前に空を斬り、巨人の2015年は終わった。「全力で戦って、こういう結果に終わったということだね」。2年連続CS最終S敗退という事実、3年続けて日本一に届かなかった現実。歓喜に沸く神宮のグラウンドに背を向けながら、原監督は淡々とそれらを受け入れた。
ある意味で、今年の巨人らしい戦いだった。「ミスが絡んだ1点1点が重くのしかかった」と、川相ヘッドは序盤の3失点を悔やんだ。初回、無死二塁から川端の投ゴロをさばいたポレダが二塁に送球してしまう野選で、一、三塁オールセーフとなった。続く山田の飛球は二塁と右翼の中間へ。懸命に背走した井端がグラブに当てるも捕球できなかった。このアンラッキーな安打で与えた先制点を含め、この回2失点。2回も、村田の失策から1失点。あれよあれよの3点ビハインドで、重苦しいムードが漂った。
409
打線も目覚めなかった。試合前、原監督は「まだまだ戦いは続くよ。これからだ」とナインをあおったが、笛吹けど踊らず、だった。3回1死満塁の好機を逸するなど、4回までゼロ行進。CSの1ステージの記録としては、10年の最終S(中日戦)で巨人が残した22イニングを更新し、ワーストとなる25イニング連続無得点だった。「序盤もそうだが、なかなか点数がね」と指揮官。5回の阿部の2点適時打で不名誉記録は途切れたが、抵抗はそこまで。小林以外の野手を送り出す総力戦も及ばなかった。
新成を掲げた今季は、ヤクルトにわずか1・5ゲーム差の2位。リベンジを期したCSでもはね返された。4試合で6点では厳しい。「やっぱり、今年を象徴したゲームになったかな。(ヤクルトにあって巨人にないものは)得点能力の差だろうね」と原監督は率直に認めた。この日は3打数1安打に終わった坂本主将は「経験が生きる? もちろん。来年借りを返すぞ、という気持ち」と巻き返しを期した。厳しい現実を受け入れ、再スタートを切る。
410
野球界には先頭打者を四球で出すと失点する確率が高いという常識がある。しかし、統計学的に野球を見ると、四球よりも安打での出塁の方が失点する確率が高いのだ。すべてを数字で判断することは出来ないが、データを有効活用することも大切だ。
ヤクルト、巨人ともに4度、先頭打者を出したものの、得点につながったのは6回のヤクルトだけだった。巨人は6、8回と先頭が四球で出塁したが得点できなかった。6回は坂本の四球後、巨人打線で一番、当たっている阿部が打席に立った。館山は5回から極端に球威が落ちていて、いつつかまってもおかしくない状態だった。しかし、阿部は初球、低めの球に手を出して二邪飛。長野の打球は館山を強襲したが、併殺になってしまった。
一方、その裏のヤクルトは先頭・川端が安打で出塁。その後、無死満塁から雄平の遊ゴロ併殺の間に先制した。菅野は、ここで失点を止めておけば良かったのだが、バレンティンに死球…。この1球が菅野の心理面に大きく影響を与えたのだろう。最終Sに入ってから、全く当たりのなかった今浪にタイムリーを許した。
411
巨人の8回の攻撃は代打・井端が四球。続く立岡は何の工夫もなく、初球のシュートを簡単に打って二ゴロ。アンダーソンも三振ゲッツーとチャンスの芽を摘んでしまった。
第4戦は各バッターが積極的に打ちにいくことが必要となる。こちらも統計学的に、ストライクカウントが増えるごとにヒットの確率は低くなるので、積極的に打ちにいくことが得策だ。短期決戦は気合と根性だけでプレーしがちになるが、データを有効活用し、グラウンドで躍動してほしい。
412
短期決戦では一つのミスが致命傷になる。立ち上がりからこれだけミスを出せば、巨人は勝てるはずがない。
先頭打者・比屋根の右中間への安打は、長野がジャッグルしなくても二塁打になっていただろう。これは仕方がない。しかし、ここからが問題だ。川端の投ゴロで比屋根が二塁を飛び出したのに、ポレダがすぐに二塁に送球してしまった。走者を追い込んでから送球するのが鉄則なのに、何をあわてたのか。
さらに、山田の二塁後方への飛球。井端が追いつきながら落球した。しかし、この時、無死一、三塁。井端が捕球しても、後ろ向きの体勢からでは本塁へ走る比屋根は刺せなかっただろう。前進した長野が取るべきだった。2回の失点も村田の失策がらみ。これだけ隙を見せれば、流れは相手に行く。
レギュラーシーズンには見られなかった守りの連続ミスは、集中力の欠如が原因ではないか。「これで負けたら終わり」「自分が打てなかったら負ける」の思いが、守りに就いたときにもあったのではないだろうか。
413
短期決戦では、モチベーションを上げた方が勝つ。そして、ある意味において“自己中心”の“プラス思考”の方がいい。「自分が打てば勝つ」「自分が美技をすれば勝てる」。これだ。巨人の選手はこのシリーズ、あまりにも後ろ向き過ぎたような気がする。
さらに言えば、ヤクルトの打線は「読み勝ち」をしていた。配球を読んで、外角の球なら逆方向へ打つと決めてフルスイングをしていた。それに対し、巨人の打者は何でも打ちにいこうとする意識が強すぎた。「ここは外野フライでOK」と気楽に打席に立つヤクルトの打者に対し、巨人の打者は“多くの課題”を持ち過ぎて打席に入っていた。今季、両チームの攻撃力の差も、そんなところにあったのではないだろうか。
414
スポーツ紙って、これだからね。まったく。先日のノーベル文学賞。本紙の見出しは「村上春樹氏、10年連続落選」でした。
勝手に下馬評にあげておいて「落選」はないでしょう。同じ穴の狢(むじな)の身ですが、反省しております。
さて、熱烈なスワローズファンとして知られる村上さん。神宮にもよくいらっしゃるらしいですが、前から疑問に思っていたことがあります。
あのシュッとした人でも、得点が入ったりラッキーセブンには東京音頭を歌ったり、傘を振ったりするのでしょうか。
今夏に出版された「村上さんのところ」(新潮社)に、答えがありました。果たして、「踊り踊らない」とのことです。
翻訳を手がけた小説の主人公を引き、「フィリップ・マーロウ」ならそういうことはしないはずと、理由を述べていました。確かに。
ただ、本日のような天候だと、あの傘は重宝しますね。パフォーマンス以外にも役に立つ、実用的な応援グッズ。さすがは青山のチームです。
というわけで、我らがジャイアンツ。問題は今日の雨、傘がない…ではなくて、いよいよ「後がない」ということです。
415
鬼門の神宮。防戦一方ながら菅野は頑張ったと思います。やはり、打線でしょう。連続イニング無得点? 数えるのも億劫(おっくう)です。
本来の打撃を捨て、チャンスメイクに徹している慎之助。明らかに悲壮な表情にはグッときますが、これも功を奏さず。
この期に及んで、戦いざまが不憫(ふびん)過ぎます。誰かを責めたいのですが、ターゲットすら見つかりません。
エースが勝てない。打線がつながらない。これじゃあ「戦った証し」さえ残りません。
ヤクルトが傘なら、ジャイアンツには「オレンジタオル」があるじゃないか。でも、それで雨と涙を拭いておけじゃ、あんまりです。
1.アクセスログの保存期間は原則1か月としております。
尚、アクセスログの
個人的公開はいたしません。
2.電話番号や住所などの個人情報に関する書き込みは禁止します。
3.第三者の知的財産権、その他の権利を侵害する行為又は侵害する恐れのある投稿は禁止します。
4.
すべての書き込みの責任は書き込み者に帰属されます。 5.公序良俗に反する投稿は禁止します。
6.性器の露出、性器を描写した画像の投稿は禁止します。
7.児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(いわゆる児童ポルノ法)の規制となる投稿は禁止します。
8.残虐な情報、動物を殺傷・虐待する画像等の投稿、その他社会通念上他人に著しく嫌悪感を抱かせる情報を不特定多数の者に対して送信する投稿は禁止します。
※
利用規約に反する行為・同内容の投稿を繰り返す等の荒らし行為に関しては、投稿者に対して書き込み禁止措置をとる場合が御座います。