
>>286
企業と政党は必ずしも一致しませんが、現代の企業組織では機能しないとされる仕組み、例えばメンバーシップ制度が、同時代の政党組織では強力な武器になるのは何とも不思議です。なぜ、こうした現象が起こるのか。
あくまで仮説ですが、現代の企業組織では機能しない“からこそ”、政治の領域で力を持ってしまったのではないでしょうか。
□かつての日本企業にあったもの
例えば、1920年代以降の日本の賃金体系には「生活給」という発想がありました。「企業は労働者が家族を養うための生活費を基準にして賃金を設定すべき」という思想に基づく賃金です。その後、戦後復興を経て、高度経済成長とともに生活給は職能給に入れ替わっていきますが、現在もある家族手当や住宅手当はその名残とされます。
ここから分かるのは「かつての日本企業には社員の生活を保障する意思と機能があった」ということです。一般に「日本的経営」と呼ばれるシステムも、終身雇用や家族主義的な経営で、社員の生活を公私にわたり支えていました。
企業と政党は必ずしも一致しませんが、現代の企業組織では機能しないとされる仕組み、例えばメンバーシップ制度が、同時代の政党組織では強力な武器になるのは何とも不思議です。なぜ、こうした現象が起こるのか。
あくまで仮説ですが、現代の企業組織では機能しない“からこそ”、政治の領域で力を持ってしまったのではないでしょうか。
□かつての日本企業にあったもの
例えば、1920年代以降の日本の賃金体系には「生活給」という発想がありました。「企業は労働者が家族を養うための生活費を基準にして賃金を設定すべき」という思想に基づく賃金です。その後、戦後復興を経て、高度経済成長とともに生活給は職能給に入れ替わっていきますが、現在もある家族手当や住宅手当はその名残とされます。
ここから分かるのは「かつての日本企業には社員の生活を保障する意思と機能があった」ということです。一般に「日本的経営」と呼ばれるシステムも、終身雇用や家族主義的な経営で、社員の生活を公私にわたり支えていました。
